Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
「あたしが今日まで生きてこられたのはそのおかげよ」とおのぶは顔をあげて云った、「こうしなかったら死んだ姉さんのように、あたしも女衒の六の手にかかるか、親たちの食いものにされてたでしょ、女がまっとうに生きようと思えば、けじめけじめをはっきりさせるのが第一、ものごとを少しでもあいまいにしておくと、いつそれが命取りになるかわからない、姉さんがそのいい証拠よ」
「えらいな」と栄二が云った、「これはいやみじゃあない本音だぜ、のぶ公は立派にやってゆけるよ」
「ええそのつもりよ」と云って、おのぶは眼をそらした、「あたしだってまさか鬼じゃあないわ、さぶちゃんの気持を思うと、そう云うのは辛かったわ、自分の胸に刃物を当てるような思いで云ったのよ」
「さぶのためにもそのほうがよかった、あいつだってそういつまでまいっちゃあいないだろう」と栄二は頷いてからおのぶを見た、「――そこで、肝心な話があるんだろう」
おのぶは膝の上で、両手の指を絡めたりほぐしたりしながら、すぐには話しだせないようすだった。
「縁談だな」と栄二がきいた。
おのぶはそっと頷いた。
「相手が気に入らないのか」
「ええ」