Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
人見張役の小島良二郎が来ると、すぐに花札は片づけられ、集まっていた者は散ってしまう。そういうことを三度、五たびと見るうちに、それは誰かが見廻りに来るぞ、という警告であることがわかった。
「ひどいことになったぜ、あにい」と万吉がそっと栄二に囁いた、「今日でかけた仕事先で金太から聞いたんだが、義一のやつは役人たちを金で抱きこんでるそうだ」
「そんなことを口にするな」
「だってこのまんまでいいと思うかい」万吉は強い調子で囁いた、「もう気がついてるだろうが、このもっこ部屋の人間は三つに割れちまった、あにいに字を習うなかまと、義一のまわりに集まる連中、それから小頭や与平さんたちのような、なんにもできない弱い者たちさ、そう思わねえか」
栄二は答えなかった。
「博奕をやる連中は、あにいとおれたちなかまをけむったがってた、だがいまでは憎んでる、おれたちが博奕をしねえだけでなく、手習いをやってるってことが癪なんだ」と万吉は続けた、「金太のやつまでが、おれたちのことを白い眼で見ていることを知ってるか、あにい」
栄二はごくかすかに頷いたが、やはりなにも云わなかった。
「仕事場へいっても以前のようじゃあねえ、みんな怠け癖が出はじめた、ほんとだぜ」