Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

その男たちの、半纏の下から出ている裸の脛が、栄二にはひどく寒そうにみえた。さぶはあるきだしながら、小舟町の「芳古堂」へ奉公に来てから三年間の、休む暇もなくあびせられた小言と嘲笑と平手打ちのことを語った。それは訴えの強さではなく、赤児のなが泣きのような、弱よわしく平板なひびきを持っていた。大川の水がときたま、思いだしたように石垣を叩き、低い呟きの音をたてた。

「奉公が辛いのはどこだっておんなしこった、おかみさんの口の悪いのは癖だし」と栄二はつかえつかえ云った、「それにおめえ、女なんてもともと、――車だ」

栄二がさぶの腕に触り、二人は立停って川のほうへよけた。からの荷車を曳いた男がうしろから来て、二人を追いぬいていった。

「腕に職を付けるのは辛えさ」と栄二は続けた、「考えてみな、葛西へ帰ったって、朝から晩まで笑ってくらせやしねえだろう、それとも百姓はごしょう楽か」

「葛西のうちなら」とさぶが云った、「出ていけなんて云われることだけはありゃあしねえ」

「ほんとにそうか」

さぶは返辞をしなかった。栄二も返辞を期待していなかった。さぶは葛西にある実家のことを考えてみた。