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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

「すみよしへはもういかないのか」

「ときたまいくよ」とさぶが答えた、「おのぶちゃんの気持を聞いてっから、妙な話だが、おらあ自分でもおかしいほどさばさばしちゃった」

「自分をごまかすのはよくねえぞ」

「ごまかしじゃあねえ、ほんとなんだ」とさぶは云った、「好きなことはむろん好きさ、一生おのぶさんのことは忘れねえだろう、けれどもさばさばした気持になったことも本当なんだ」

「よかろう」栄二は調子を変えた、「暮の二十六日だかにのぶ公が来て、なにか困ったことができたように云ってたが、おめえなにか知らねえか」

「困ったことって、なんだろう」さぶはちょっと考えてから云った、「おらなんにも気づかなかったが、――おとつい寄ったら、坂本二丁目にうちを借りたってこと、云い忘れたって云ってたよ」

「なんだ、坂本二丁目のうちとは」

「おれたちのうちさ、横丁の古い二戸建てなんだが、もと桶屋が住んでたんだって、仕事場に使える板の間があるんだ」

「ちょっと見ろよ」と栄二は海のほうへ顎をしゃくった、「もう汐干狩をやってるぜ」

二人は南の海端へ来ていて、すぐ向うの、一里も潮がひいたかと思える広い干潟に、貝を拾う人の姿があちらこちらに見えた。