Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
おのぶはその包みを見るなり、崖から落ちでもしたように昂奮からさめ、けだるそうにおくれ毛を掻きあげながら、そっとはにかみ笑いをした。
「あたし酔ったのね、ごめんなさい」おのぶはちょっと舌を出し、首をすくめた、「おすえさんが気をもんでるわ、早く帰っておあげなさいよ」
「のぶ公、大丈夫か」
「でなくってよ」おのぶは前帯を叩いた、「それからね、これは云う必要もないと思うんだけれど、ここのおかみさんにこれができたの」
おのぶは右手の拇指を立ててみせた。
「その相手を誰だと思って」
栄二はおのぶの表情を読み取った、「――例の、板前の徳さんか」
「あたしもう剃刀を持たなくってもよくなったの、でもふしぎなもんね」おのぶは肩をちぢめた、「あの人がおかみさんとそうなったら、こんどは自分の男を取られたような気がするんですもの、女ってへんなもんだと思うわ」
十五の五
坂本二丁目へ帰った栄二は、おすえになにを云う暇も与えず、いきなりすみよしであったことを話した。まるで咎人が申開きをするようだなと、話しながら自分でも苦々しい気がしたが、おすえの顔は見るまに明るく、いきいきとしてきた。