Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
と栄二は独り言を呟いた、「どうしたって事実をはっきりさせずにはおけないんだ」
まもなく人の足音が近づいて来、襖をあけて三人の男たちがあらわれた。番頭でもなし店の者でもない、三人とも「い組」の印半纏に腹掛、ずんどうに紺の股引をはいている。二人は二十五、六、一人は四十がらみで、半纏の衿には「頭」という字が染め抜いてあった。町内の頭だな、と栄二は思った。
「おめえが」とその頭が云った、「――このお店へ因縁をつけに来た野郎か」
「冗談じゃない、因縁だなんて」栄二はおどろいて吃った、「あっしはただ旦那に会わしてもらって」
「立ちな、若えの」と頭は顎をしゃくった、「ここで論判するこたあねえ、話があるんなら外へ出てから聞こう」
番頭はこの男たちを呼んだのだ。主人の指図かもしれないが、卑怯なことをするものだと思うと、栄二は怒りのために躯がふるえてきた。
「いやだ」と彼は怒りを抑えて云った、「あっしは旦那に会うまではここを動かない、人間ひとりの一生にかかわることなんだ、おまえさんは知らないだろうが」
「立たせろ」と頭は若い者たちに云った、「お店へご迷惑だ、ひきずり出せ」
栄二はあぐらをかいて居坐り、腕組みをした。