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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

、どうも新派和歌では始まらない、これは矢張り断るに限る、と思うと今更ら老人に逢うのも面倒で、大急ぎで飲み乾して飯をば喰べず其処を出た。出がけに手紙代りの歌を一首、書きつけて宿に頼んで来た、もう一度あの好人物そうな老人の顔を見たくも思いながら。

如何にも鰹節が到る所に乾してあった、高くなった高くなったと朝晩勝手で女中を相手に嘆している妻の顔などが心に浮んで苦笑しながら無数に乾しひろげられたそれ等を見て通り過ぎた。風は相変らず烈しく、私の五六歩前を歩いていた二人の若い酌婦風の女の上にまだ乾かぬ乾物が竿のまま落ちて来たりした。宿場を離れると直ぐまた山にかかった。

酒のせいか、幾らか風をよけた山蔭のせいか、その峠をば私も極めて穏かな気持で登り始めた。梅が幾つか眼につく。初めこの旅を思い立った時、この花の盛りを見る気でいたのであったが次第に日が遅れてもう過ぎてしまったろうと諦めて来たのにまだ結構見らるる。浪に揉まれながらの船からも海岸の崖の上に咲いているのがよく見えていた。一帯にこの国にはこの木が多いかも知れぬ。段々畑の畔などに列を作って咲き靡いている所もある。