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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

鶏をとりうどんをとって別盃を挙げた。軽井沢での不図した言葉がもとになって思いも寄らぬ処を両人して歩いて来たのだ。時間から云えば僅かだが、何だか遠く幾山河を越えて来た様なおもいが、盃の重なるにつれて湧いて来た。午後三時、私の方が十分間早く発車する事になった。手を握って別れる。

渋川から沼田まで、不思議な形をした電車が利根川に沿うて走るのである。その電車が二度ほども長い停電をしたりして、沼田町に着いたのは七時半であった。指さきなど、痛むまでに寒かった。電車から降りると直ぐ郵便局に行き、留め置になっていた郵便物を受取った。局の事務員が顔を出して、今夜何処へ泊るかと訊く。変に思いながら渋川で聞いて来た宿屋の名を思い出してその旨を答えると、そうですかと小さな窓を閉めた。

宿屋の名は鳴滝と云った。風呂から出て一二杯飲みかけていると、来客だという。郵便局の人かと訊くと、そうではないという。不思議に思いながらも余りに労れていたので、明朝来て呉れと断った。実際K―君と別れてから急に私は烈しい疲労を覚えていたのだ。然し矢張り気が済まぬので自分で玄関まで出て呼び留めて部屋に招じた。