Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
けれどその駕訴は受けられなかった。其処で彼は更らに或る奇策を案じて具さに伊賀守の虐政を認めた訴状を上野寛永寺なる輪王寺宮に奉った。幸に宮から幕府へ伝達せられ、時の将軍綱吉も驚いて沼田領の実際を探って見ると果して訴状の通りであったので直ちに領地を取上げ伊賀守をば羽後山形の奥平家へ預けてしまった。茂左衛門はそれまで他国に姿を隠して形勢を見ていたが、斯く願いの叶ったのを知ると潔く自首するつもりで乞食に身をやつして郷里に帰り僅かに一夜その家へ入って妻と別離を惜み、明方出かけようとしたところを捕えられた。そしていま月夜野橋の架っているツイ下の川原で礫刑に処せられた。しかも罪ない妻まで打首となった。漸く蘇生の思いをした百七十七個村の百姓たちはやれやれと安堵する間もなく茂左衛門の捕えられたを聞いて大に驚き悲しみ、総代を出して幕府に歎願せしめた。幕府も特に評議の上これを許して、茂左衛門赦免の上使を遣わしたのであったが、時僅かに遅れ、井戸上村まで来ると処刑済の報に接したのであったそうだ。
旧沼田領の人々はそれを聞いていよいよ悲しみ、刑場蹟に地蔵尊を建立して僅かに謝恩の心を致した。