Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
堂のうしろの落葉を敷いて暫く休んだ。傍らに同じく腰をおろしていた年若い友は不図何か思い出した様に立ち上ったが、やがて私をも立ち上らせて対岸の岡つづきになっている村落を指ざしながら、「ソレ、あそこに日の当っている村がありましょう、あの村の中ほどにやや大きな藁葺の屋根が見えましょう、あれが高橋お伝の生れた家です」
これはまた意外であった。聞けば同君の祖母はお伝の遊び友達であったという。
「今日これから行く途中に塩原太助の生れた家も、墓もありますよ」
と、なお笑いながら彼は附け加えた。
月夜野村は村とは云え、古めかしい宿場の形をなしていた。昔は此処が赤谷川流域の主都であったものであろう。宿を通り抜けると道は赤谷川に沿うた。
この辺、赤谷川の眺めは非常によかった。十間から二三十間に及ぶ高さの岩が、楯を並べた様に並び立った上に、かなり老木の赤松がずらりと林をなして茂っているのである。三町、五町、十町とその眺めは続いた。松の下草には雑木の紅葉が油絵具をこぼした様に散らばり、大きく露出した岩の根には微かな青みを宿した清水が瀬をなし淵を作って流れているのである。