Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
この山は南側太平洋に面した方は極めてなだらかな傾斜をつくり、海抜四千何百尺かの高さから海に向って遠く片靡きに靡き下っているのであるが、私の生れた村に臨んだ側は殆んど直角とも云い度い角度で切り落ちた嶮峻な断崖面をなして聳えて居る。無論岩骨そのままの山肌で、見るからにこごしい姿であるが、その割には樹木が深い。伐り出すにも伐り出せないところから、いつとはなしに其処に生えたいろいろな樹が昔のままに芽ぐみ茂っているのであろう。村人に聞くと樅の木など最も多いという事である。そして春になると其処に意外に多くの山桜の咲き出すのが仰がれた。
一日二日と雨がつづけば、その山腹には三つも四つも真白な見ごとな滝が懸った。日頃はあるかなきかに流れているその岩壁の水が雨のために急に相当の谷となり滝となって現われて来るのである。そうしてそういう日には実にいろいろの形をした雲が山に生れて、あちこちと動くのが見えた。それほど嶮しい山であっても唯だ一面の鏡を立てた様な岩壁となっているのではない。その間には、全体の傾斜に添う様な嶮しい角度で幾多の襞が切れている。無論そういう山肌である処から縦に切れる処は無く、多くはみな横に切れて畳まっているものらしい。