Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

オリンポスのかじつ

オリンポスの果実

田中 英光

Lesen Sie オリンポスの果実 (オリンポスのかじつ) von 田中 英光 (たなかひでみつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.277 Zeichen · 147 Bildschirme

Aozora Bunko

と補欠の佐藤が、憎らしく、お節介な口を出すと、皆がどッとふきだしました。

その笑いのなかで、ぼくはもう死にたい、という気がする程、弱虫でした。まだ、松山氏は、沢村さんに向って、「こんなにするんだとよ。気味が悪い」とやって見せています。こんなふうに、皆から扱われるのには慣れていますが、あなたのことが、有るだけに、たまらなかったのです。

結局さんざん嘲弄されてから、解放されましたが、それからまた、バック台練習は、以前のように口喧しく、先輩達から怒鳴られるようになるし、怒鳴られるほど、またギゴチなくなって行きました。

こう書くと、いかにもぼくが、弱々しいだけに見えますが、先輩達だとて、ぼくが本当に弱く降参しきっていれば、あれ迄いじめなかったでしょう。加えて、ぼくには、文学少年にありがちな孤独癖がありました。それも生意気だとか、図々しいとか見られていたのでしょう。実際、図々しい処もありました。あなたから、この手記の初めに書いた、杏の実を貰ったのは、その問題があった日の昼のことでしたから――。

とにかく、その日の昼は、もうあなたと遊べなくなった淋しさと、口惜しさから、殆ど飯も食べずに、トレイニング・パンツに着更え、誰もいないB甲板をうろついていると、ひょッくりあなたと小さい中村嬢に逢いました。