Japanische Klassiker mit Furigana
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Lesen Sie 上杉謙信 (うえすぎけんしん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.102 Zeichen · 256 Bildschirme
当甲州は、強大無比と聞いていますが、たとえばどれほどな大きさでしょうか」
「国の広さは、南北八日路といわれています。大国の証拠には、日々、街道すじの往還、荷駄千匹ずつありと申す。以て、御推量がつくでしょう」
「はははは。それは意外」
「何をお笑いめさるか」
「でも、荷駄千匹の往来と御自慢あるが、越後においては、出入りの船、日々千艘。一艘の船には、馬千疋が負うほどの荷は積みます。してみると甲州は、存外な小国とみえますな」
曲淵は赤面して黙ってしまった。初鹿野伝右衛門が、それを救うように、
「下野殿。つかぬことを承るが、越後では他国へのお使いに、貴殿のような小男を、わざと選んでお出しになるのかな。失礼ながら、何尺おありになりますか」
下野は、少しも動ぜずに、すぐこう答えた。
「わが越後では、使者を他国へ向ける場合、先が大国なれば大なる男を、先が小国なれば小なる男をつかわすことが例になっています。たとえば、貴国へはそれがしのような小男を遣わされたように」
二の句も出ずに、伝右衛門が口をとじていると、下野はなお、
「身長をおたずねでござったが、こう見えましても、それがしは五尺にわずか一寸ぐらいしか不足ではござらぬ。