Japanische Klassiker mit Furigana
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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme
海老塚の目は益々燃えた。それは極点まで見ひらかれ、もう、どうする術もなく、そして彼は、言葉も、身動きも、すべてが失われている故に、今や、にわかに、唐突に全てのことが可能であり、何かが突発しそうな様子に見えた。
そのとき、ひきずる跫音がして、お由良婆さまが、諸井看護婦に手をとられながら、はいってきた。
「千草がどこにもおりませんよ。どうしたのでしょう。もしや皆さんに御心当りはございませんか」
一座に別の恐怖が走った。
「そんなバカな。まさか殺されやしないだろう」
ピカ一が大声で喚いた。
「お婆さん、安心しな。あの子はサカリがついてるのさ。婆さんの前だけれども、あの子ときては、満身これ性慾じゃないか」
一座はそのまま沈黙した。誰も、つづいて物を言いだす者がない。
すると諸井看護婦が、水死人が水の中から物言うような静かな沈んだ声で、
「そうです。千草さんはアイビキにおでかけでした」
「なんですって? じゃア、あなたは知っていらしたの」
お由良婆さまの呆気にとられた視線も、諸井看護婦の冷たい顔には、とりつく島がなかった。
「千草さんはアイビキの紙片をお受けとりです。