Japanische Klassiker mit Furigana
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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme
「いくらか惚れてはいたろうさ。あいつが何をどの程度に思いこんでいるか、あんな、ひねくれ者のことは、私は考えてみたくはないよ」
「まったく、大作家ともなると、気むずかしくて、つきあいにくいですな」
全然あらゆる人間を疑っているようなものである。私も、いささか、ウンザリした。私はどうも巨勢博士を買い被りすぎたと思った。これにくらべて、さすがにカングリ警部ともなると、軽率なところがなくて、慎しみ深く、何か我々の分らぬ狙いをつけて、一途に掘り下げているような、たのもしさが感じられる。
ある朝私が三輪山の方へ散歩にでると、危っかしい様子の男女の老人が二人、もつれるように道の上にうずくまるようにしている。見ると、お由良様、もう一人の男の方は私の始めて見る人だが、お由良様の夫の南雲老人に相違ない。
私がすすみよって、どうかしましたか、ときくと、お由良様は困りきった顔にホッとした色を浮かべて、
「無理に歩いてみましたら、この有様で。年寄は十日前には出来たことが、今日はもう出来なくなっているのですよ」
「あなたは御病気という話でしたが」
「ええ、さいわい今朝は気分がよかったものですから。