Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

それでは、皆さんの芸術的神通力を拝借いたす意味で、ひとつ打ちあけて申上げますが、第一回目の事件、望月王仁さんの事件に、屍体の寝台の下に、あやか夫人の部屋靴の鈴が一つ、ころがっていたのですよ。これは、皆さんの神通力で、どういうことになりますか」

「いや、それだ。まさしく、君、警部、それですよ。そうこなければならぬ。すべては、明白じゃないか」

ピカ一は、目をかがやかせて、叫んだ。

あやかさんは、恐怖に沈んで、大きく目をあけて、警部を見つめた。

「私は、当家へとついで以来、望月さんのいらした部屋へは、まだ一度も、はいったことがございません」

「ウム。さすがに、このキツネも、見上げた奴さ」

ピカ一は思わず唸った。

「弁解の文句も、ここまで、くりゃア、人を驚かしやがるよ。当家へとついで以来、足をふみ入れたことがありません、とは、ほざきやがるよ。トルコやインドのハーレムじゃあるまいし、十人も泊りゃ一ぱいの、たった二棟のウチじゃアないか。成上り者は広大な天下を知らないから、とんでもないことを言いやがる。こんなチッポケなウチはハーレムじゃ料理人のヒルネ部屋だい。気のきいた蚊は、一晩のうちに、一々の部屋で血を吸って歩かアね。