Japanische Klassiker mit Furigana
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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme
主人は海老塚さんを犯人と信じておりましたから、あの方が捕われてからは安堵しておりましたのです。ですから、あのハリ紙のショックはひどすぎたのです。不安と恐怖に、私がさきに眠ることさえ心細い有様でしたが、私がいつ目をさましても、主人は机に向って、考えこんでいたのでした」
カングリ警部はうなずいた。そして彼は改めて一馬の屍体をしらべはじめた。顔や手にあやか夫人の抵抗をうけて掻きむしられた傷があり、彼のパジャマもひきむしられ、胸のボタンがとんでいた。
「危いところでしたな」
と調べ終ってカングリ警部は云った。
「あなたは気絶なさったから、よかったのです。抵抗をつづけていたら、ふたたび生きかえることはできなかったでしょう。あなたが死んだものとみて、御主人は覚悟の自殺をされたのです」
「なぜですか」
「お気の毒ですが、これまでの惨劇はすべて御主人が犯人でした。我々には分っていたのです。ただ、物的証拠がなかったために、逮捕ができなかったのでした」
「ちがいます」
あやか夫人は叫んだ。
「私は存じております。昨夜、私どもが食堂へ参ります時には、柱のハリ紙はなかったのです。そのとき私は何気なく柱を見た覚えがありますから、間違いはございません。