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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

然し内心は相当王仁に参っている。王仁は天下の流行作家であるし、傲慢無礼、粗雑、野性的なところが肉感派の秋子に魅力なのだろう。秋子は本能の人形みたいな女で、抑制などのできなくなる痴呆的なところがあるから、山荘へ行く、王仁とそのままでは済まない筈だが、木兵衛という奴、理知聡明、学者然、乙にすまして、くだらぬ女に惚れてひきずり廻されて、唯々諾々というのだが、そのくせ嫉妬で胸が破れそうなことも云っている。一馬の招きに応ずるなどとは全くバカげた奴だ。

私は然し、この招待は、なるほど一馬の述べたような理由によるものと思うけれども、一馬自身がこの計画に乗気の理由の最大のものは別に隠されているのだろうと思った。狙いはむしろ胡蝶さんにあるのだろう。胡蝶さんがよびたいのだ、私はそう思う。

明石胡蝶は劇作家人見小六の奥さんで、女優だ。満身色気、情慾をそそる肉感に充ちているが、胡蝶さんは王仁のような粗暴な野性派が嫌いで、理知派の弱々しい男が好き、人見小六などはネチネチ執拗で煮えきらなくて小心臆病、根は親切で人なつこいタチなのだが、つきあいにくい男だ。胡蝶さんは一馬が好きで、一馬の方が積極的に出さえすれば小六を捨てて一馬に走るぐらいの気持はいだいている。