Japanische Klassiker mit Furigana
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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme
お京さん、許して下さい。然し、どうも、これを書き変えて送った奴は、何を企んでいるのだろう。もしかすると、ほんとに犯罪があるんじゃないかね。まったくさ。僕だって、君、今なら、人が殺したいよ。どいつも、こいつも、アア、畜生! 息の根を止めてやりたい。誰だって君、今このうちに住んでいりや、人の二三人殺さずにいられるものか!」
然し筆蹟はたしかに彼のものだ。然し、よく見ると、念入りに筆をまねた形跡もうかがわれた。
「この紙は?」
「うちの用箋さ」
「どこに置いてあるのだい」
「さっきの広間の隅のデスクに、これとインクとペンはいつも具えつけてある。むろん封筒もおいてある」
「手紙は誰が投函したのだ」
「君たちの疎開中は郵便局に人手がなかったし、時局が時局で、こっちから投函に一里も歩いたものだけど、今じゃ向うから取りにくる、昔からの習慣なんだ。尤も郵便を配達に来て、ついでに持って帰るのだ。うちへ届ける郵便物のない時だけ、やっぱり配達の時間にわざわざ取りに来てくれるのだ。うちから出す郵便物は玄関に桐の箱が置いてあって、手紙を出す者が勝手に自分で投げこんでおくのだ。だから、手紙をすりかえるチャンスは誰にでもある」