Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふたおもてくらべぼたん

両面競牡丹

酒井 嘉七

Lesen Sie 両面競牡丹 (ふたおもてくらべぼたん) von 酒井 嘉七 (さかいかしち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.317 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、表玄関から、廊下をつたって行きましては、時間もかかりますこととて、お庭づたいに、離れのお部屋へ急いだのでございます。ところが、いつもは、障子も開けたままでいられる御隠居さまが、ぴったりと、障子をたて切り、電灯も消されまして、薄明るい、まくら雪洞にしつらえました、小さなあかりをつけていられるのみでございます。私は、飛び石をつたいながら、はて、不思議なこと、と思わず、立ちどまったことでございました。中には、たしかに御隠居さまがいられます。しかし、障子にうっすらと、さした影から考えますと、おひとりではございませぬ。誰か、も一人の方と、向い合って、じっと、していられるご様子でございます。私は、あまりにも、そのご様子に、常ならぬものを感じたのでございました。はしたないとも、無作法とも、そうしたことを考える余裕もございませぬ。音をたてぬよう、静かに、縁側に上がって、障子を細目にひらき、そっと中をのぞいたのでございます。と、雪洞のうす明るい、真白い光にてらされて、御隠居さまの、無言で、じっと、坐っていられる姿が見えたのでございます。前には、どなたが、……こう考えまして、ひとみをこらしました時、私は、われにもあらず、