Japanische Klassiker mit Furigana
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かめんのきょうふおう
仮面の恐怖王/電人M
江戸川 乱歩
Lesen Sie 仮面の恐怖王/電人M (かめんのきょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.590 Zeichen · 308 Bildschirme
女の人があまりのおそろしさに、おもわず、さけび声をたてたのです。
見物人たちは、その声にゾーッとふるえあがりましたが、てれかくしのように、ほうぼうに笑い声とざわめきがおこりました。見物人というものは、こわいときに笑うものです。
つぎのしゅんかん、その笑い声がピタリと、とまってしまいました。画面におそろしいことがおこったからです。
黄金仮面がスクリーンいっぱいに笑っている、その三日月形の口の右のすみから、まっかな液体がタラタラとながれおちたのです。その映画はカラー映画でなくて、白黒の映画なのです。その色のない画面に、とつぜん、まっかな色の液体がながれたのです。
血です。
うすきみのわるい三日月形の口から、血がながれおちたのです。そして、その血だけが、まっかな色をしていたのです。
黄金仮面はまだ笑っています。声のない笑いを、笑っています。そして、その口から血をはいているのです。
カラー映画でなくても、フィルムの一枚一枚を虫めがねで見ながら、小さく色をぬれば、こんなふうに見えるかもしれません。しかし、色が出したければカラー映画をとればいいのですから、いまどき、そんなてまのかかることをするはずがありません。