Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

塵にまみれた一通の手紙がそれであった。

その手紙は、子供の筆蹟で書かれていて差出人はたしかに貞子と書かれていた。

貞子とは、祖母の兄の子で、一度この家に貰われて来たが、祖母とその兄との感情の行違いから戻された娘である。そしてその代りに私が育てられることになっていたのであった。

それを懐の中にそっと入れて、私は自分の部屋の中に持って帰った。そして読んだ。

私はもうその文章を覚えてはいない。が、それに書かれてあったことはどうしても忘れられない。

それによって私は、私の代りに今一度この貞子さんが岩下家の後嗣ぎに定められているのを知った。岩下家からいろいろのものが貞子さんに贈られているのも知った。郷里で私に着せてくれた縮緬の重ねも、しごきも、帯も、――そして私があれほど探していたたみちゃんの形見の裁縫箱までもが貞子さんに贈られているのを知った。それから、私がこうした女中よりもひどい取扱いをされているのとは反対に、貞子さんは踊りも裁縫も生花もすっかり稽古させてもらっているのを知った。しかもその手紙の終りには「御母上様」と立派に書いてあるのを見た。

私はしかし、ここでめめしいことを言うまい。