Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
そうした長い苦しみの後やっと夕方になった。
祖母は私の部屋と庭一重で向い合った母家の広い軒下に七輪を持ち出して、天ぷらを揚げ始めた。油の香が焼けつくように私の空腹に浸み込んで来た。
思えば朝から私は御飯を頂いていなかったのだ。
高の小さい男の子が何か余りものを貰った空笊を返しにやって来た。
「おお、よう来た、いい子だ、いい子だ」
こう言って祖母は天ぷらを二つ三つ子供の手に握らせた。そして私の方を見てくすりと肩をすぼめて笑った。
私はこっそりと家を出た。出ても行き場がない。すぐ下の路傍にある鮮人の共同井戸の側へ行って、わけもなく中を覗いて見たりなんかした。そこへ、知合いの鮮人のおかみさんが、青い菜をかめに入れて洗いに来た。私の顔を見ると、
「また、おばあさんに叱られたのですか」と親切に声をかけてくれた。
私は黙って頷いた。
「かわいそうに!」おかみさんはじろじろと私の哀れな姿を同情ある眼で眺めながら言った。「うちへ遊びに来ませんか、娘もうちにいますから」
私はまた泣きたくなった。悲しくて泣くのではなく、ただ大きな慈悲心に融かされた感激の涙で……。
「ありがとう、行って見ましょう」