Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
「何、それはいいんだよ。先方は金持ちなので、貰ったらすぐ医者にかけるという約束になっているんだから」
祖母はこう答えたけれど、父は今度は、いつもの運命論をかつぎ出して、自分が不運続きのため叔母の着物を皆質に入れた、だからこのまま還すわけには行かぬとか、叔母は身体が弱いから百姓仕事はとてもできない、自分もいつまでもこうしてはいないつもりだから、そのうちきっといい縁先を都会に見つけて、自分が親元となって縁づけるなど、いろいろの理窟をつけて還さなかったのだそうである。
哀れな祖母よ、祖母は無論父のこの言葉を信じなかったに相違ない。けれど、祖母は無智な田舎の百姓女である。この狡猾な都会ものの嘘八百に打ち勝つことがどうしてもできなかったのである。
祖母は空しく帰って行った。父は厄介神を追っ払って安堵の胸を撫でおろしたことであろう。ひとり胸の苦しさを増したのは母であったに違いない。実際それから後の私の家は始終ごたついていた。では叔母は?
叔母とても決して晴やかな気持ちでいたわけではなかろう。叔母が時々、二月も三月も家にいなくなったのを私は覚えている。そして、それは後からきいたことではあるが、叔母が父を遁れて独りこっそりと他人の家に奉公に行っていたのであった。