Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
で、私はそれから一、二ヵ月はこの手段で祖母の歓心を買っていた。だが、無論内心ではすこぶる不安であった。いつ発覚されるかも知れないと思ってびくびくものであった。のみならず、都合のわるいことさえあった。というのは、小遣銭の函の中には銀貨ばかりあって銅貨のない時がしばしばあったからであった。銀貨をもって行っては小遣銭の減り方が目立って一層早く発覚される恐れがある。
もっといい方法がないかと、私はまた思案し始めた。そしてまた一策を案じ出した。
たしか十五歳の冬だったと思う。市日の朝、私は、何か他の用事にかこつけて庭先の米倉へ這入った。
倉庫の左手には籾俵が高く積み上げられており、右手には私の胸のあたりまでも高い玄米入の箱が五つ六つ並べられていた。入口に一番近い箱の蓋を私は取った。そして窓明りを透かしてその米の表面を眺めた。平らにならされた面の上には「寿」という字が指で書かれてあった。――これは、下男の高がしばしば米倉の中に這入るので、高が米を盗んで行きはせぬかと、その予防策に祖母がやっておく手段であったが、私はそれを前から知っていた。
米の上の字を私はじっと瞶めた。