Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
が、なぜ母の籍がそのままになっていたのか。それについてずっと後に私が叔母からきいたことが一番本当の理由であったように思う。叔母の話したところによると、父は初めから母と生涯つれ添う気はなく、いい相手が見つかり次第母を捨てるつもりで、そのためわざと籍を入れなかったのだとのことである。ことによるとこれは、父が叔母の歓心を得るための出鱈目の告白であったかも知れない。ことによるとまた、父のいわゆる光輝ある佐伯家の妻として甲州の山奥の百姓娘なんか戸籍に入れてはならぬと考えたのかも知れない。とにかく、そうした関係から、私は七つになる今までも無籍者なのであった。
母は父とつれ添うて八年もすぎた今日まで、入籍させられないでも黙っていた。けれど黙っていられないのは私だった。なぜだったか、それは私が学校にあがれなかったことからであった。
私は小さい時から学問が好きであった。で、学校に行きたいと頻りにせがんだ。余りに責められるので母は差し当り私を母の私生児として届けようとした。が、見栄坊の父はそれを許さなかった。
「ばかな、私生児なんかの届けが出せるものかい。私生児なんかじゃ一生頭が上らん」