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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

とはいえこの際二十銭でも結構であった。私はその金をもらうとすぐ、簡易食堂に走った。そしてガツガツしている私の胃の腑を充たした。

簡易食堂で私は、時たま伊藤と一緒になった。

伊藤はやはり、夜間だけ車夫をしていたがあがりは少かった。それでも私の困っている時には自分の食を減らして二十銭三十銭と私に持って来てくれた。学校からの帰りなどに偶然かち会うことがあると、よく二人で一緒に「めし屋」に這入ったりした。

が、そうした場合にも伊藤は、信仰の話しかしなかった。

「あなたの信仰はこの頃どんな按排です」

私に逢って最初に発せられる伊藤の言葉はこれであった。何か込み入った相談でもある時には路傍でも軒下でもいい、伊藤はまず跪いて熱心に祈るのであった。

伊藤は私に、日曜の朝の礼拝には必ず出て来なければならぬと言った。困った時や苦しい時には祈りをせよと言った。「祈りはあなたに力を与えます」と励ました。力を与えてくれるくらいではどうにもならぬ私には、伊藤のこの言葉は余り理解のある言葉ではなかった。けれど私は、いわれるままに教会にも出席し、祈りもした。

私は奇蹟を信じられなかった。