Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
裏通りのお湯屋の脇の焼芋屋。それをきくと私は、子供の私は、身震いするのを感じた。そこに行くには八幡様の森の大樹の下を通らねばならない。
「ねえ母ちゃん、お菓子にしようよ、お菓子屋ならすぐそこの明るいところにあるから」
「いけない! 焼芋でなけりゃいけない」母は疳声をたてて怒鳴りつけた。「お前は親の言うことを聴かないのかい。早く行っといで、この意気地なしめ。何が怖いものか」
母の権幕に怖れて私は決心した。
「じゃあいくら買って来るの」
「ちゃぶ台の脚のところに五銭ころがっている。それだけ買っといで」
母は蒲団の中から顎をしゃくって言った。私は不精不精白銅を取り上げて起ち上った。そして台所の風呂敷を持って勝手元の土間へ降りた。
戸を開けて恐る恐る外を見て私は躊った。ヒューヒュー風が吹いていて外は真っ闇だった。遠くの方からかちかちと火の番の拍子木の音が聞える。斜め左の方に真黒な八幡様の森が聳えている、その森は昼間見るよりも近くに拡がっていて、どしんとおっかぶさっていた。その樹の下を私は一人で通らねばならないのだ。けれど仕方がない。私は行かねばならぬ。
閾の外に立ちすくんで私はもじもじしていた。