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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

多分対手の女はいい小鳥が網にかかったと思ったのだろう。お金のことは母もさほど不服そうでなく話は大体きまったようだった。

私は無論、母がつれ出すときと話が大分違っているのを知っていた。けれど私にはまだ娼妓はどうの芸妓はどうのといったようなことがわからなかった。その上、学校にもやってくれ、行儀作法も教えてくれるのだと思えば、さほどいやでもなかった。

ところが、それでは私がどの方面にやられるのかということになってから、母が考え出した。年増女は私を、東海道の三島にやるのだと言った。三島と聞いて母は急に憂鬱な顔になった。

「もっと近いところへやってもらえないでしょうか」母は嘆願するように言った。「三島といえば余り遠すぎて時々会うこともできませんから……」

「そうねえ」相手もちょっと当惑した顔をして答えた。「生憎近いところには口がなくて、ただ三島からだけ口がかかっているんでねえ……」

母は幾度か、もっと近いところを主張したが、相手はそれでは駄目だと言った。そこで母はとうとう断念したらしかった。

「それではまた、いつかお願いすることにしましょう」

こう母は残念そうに断って、そして私達は、また暗い寂しい家に帰った。