Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

まだ子供じゃないか」

「ほゝゝゝゝ。あんたは大人? あんたなんかまだ食気の方でしょう」

「もういけません」

と私は沈痛な声を出した。

姉は噴き出した。

「そうかねえ」

こんなに胸の重荷になってることが、姉にさえ解らないのだろうかと私は不思議でならなかった。人には私はお坊ちゃんらしい。甘えっ子としか映らないらしかった。

「僕は七つの時から解りましたよ」

と私は逆襲した。

「おませだわねえ」

「姉さんは?」

「そんな事訊くもんじゃないわ」

「ずるいなあ」

「本当は私は今でも解らないわ。私たちはいとこ同士決められて一緒になったばかりだもの」

万更うそでもないらしかった。姉夫婦の間は淡々たるものであった。

冬になっても尾道は、暖く雪が降らなかった。海にせまった山なだりには蜜柑が熟り、石垣を築いて茶園(別荘)が幾つもあった。そして琴の音など聞えていた。山から近く見える海の色は濃くて美しかった。

或る日、私はそうした茶園から琴の爪函を持って出て来た一人の少女に出逢った。道が狭いので、彼女は身を避けるようにしてすれすれに私の側を通りぬけた。髪はお下げにして、色が抜けるように白かった。