Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
「ええ」
それから小説の話をしたが、本当はあまり小説を読んではいけないと、とめられているらしかった。
私たちは円亭を出て、形ばかりにお参りして別れ道の所まで一緒に歩いて別れた。
帰っても私の胸は何かときめいていた。姉にも千光寺で逢ったことは言わなかった。
がそれから暫らく彼女に逢えなかった。家へも茶園へも遊びに行くわけにもゆかなかった。
が夏に入ると鴈治郎が来て偕楽座に芝居がかかった。浜吉という尾道一の茶屋の先代の追善興行というので、一座は所の習いに随って「町まわり」をした。尾道の通りは極く狭いので、一座の俥がずらりと並ぶと、見物の人だかりで街は一杯になるのであった。私は千光寺路から長屋の通りに出て見ると、ちょうど行列はとまって、口上を言っている所であった。と人だかりの後ろに私は彼女を見つけた。近づくと彼女も私を知ってニッコリと会釈した。例の支那人の召使がついていたし、人ごみで話は出来なかったので、なげかけるように、
「見に行きますか」
「ええ。行きます。明日、お母さんと」
「僕も行きます。姉さんと」
二人はうなずき合った。やがて俥の列は賑やかな囃につれて動き出し、私たちは人波にへだてられた。