Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
周囲は私にとって常に足りないものであったことは今なお憾みとせずにはいられない。
思えば私は尾道でも美しいもの、価あるものを掘り出すように探し求めていたのだ。美しい、温かい瀬戸内海的な自然、クラシカルな匂いのある寺々、それは尊いものであったが、人間のつくり出す尾道のカラーは、美しい時にも多少商業的な卑俗性をもったものであった。しかし殷賑な通商、豊富な漁猟によって生気を帯びた生活エネルギーは、比較的不便な陸路のために封鎖的になったこの港街に独特な精彩と活況とを与えた。そしてそれが幾世代に渡り保存されたので、由緒ある港としてのいぶしがかって浅膚さからすくわれていた。年少の私はそうした空気の中から美と生命とを探し出そうとしていたのであった。
尾道の思い出が、少女達との思春の絵本や、手習いのすさびのようなものしかないのはそのためであった。
※の裏門から出て、千光寺山へ登る山ふところに林にかこまれた神社があった。丑寅神社と言って氏神であった。或る日私は氏子総代の伯父につれられてこの神社に参詣した。拝殿で私たちのためにお神楽があげられた。拝殿の反り気味の欄干の側には楓の樹が燃えるように夕日に映えていた。