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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

彼の誘惑は徹底的であった。私は声を立てることも、抱擁することも両つながら出来なかった。彼の手は私の身体じゅうを撫でまわした。

あまりの事に私は一種の恐怖さえ感じた。私は夜通しうなされるように過し、翌朝明けると起きて屋敷川で顔を洗った。

少年はと見ればケロリとして何事も無かったような顔をしていた。

私は彼は何かが麻痺しているか、でなければ一種の天才であると思った。

ずっと後になって彼は心理学上の変質者であることが解った。私が憎悪よりも、恐怖を感じたのも無理はなかった。私はそれきりこの少年には近づかなかった。

しかし野草を花咲かせ、羊を孕ます自然の力を一人前の青年に育てつつあった。私の声は変った。入学の時紅い靴下を穿いていた脚は逞ましい犬のような毛を生じた。肩も腰もしっかりと張り切って来た。もはや可憐の少年であることを止めて、青年に、その目に妻を求め、その肩に銃を担うに耐うるところの壮丁になりつつあった。

体重五五キロ、身長五尺二寸五分

五年生の初め体格検査はそう記録した。

その頃私の中学と吉舎の日彰館中学校とが野球の試合をしたことがあった。吉舎は三次から五里離れた小さな中心地であったが、日彰館中学というのは古い歴史のある私塾風の中学で、女学部もあった。