Japanische Klassiker mit Furigana
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さんじゃくかく
化鳥・三尺角 他六篇
泉 鏡花
Lesen Sie 化鳥・三尺角 他六篇 (さんじゃくかく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.536 Zeichen · 27 Bildschirme
五
と何と思ったか与吉はうつむいて悄れたのである。
「何うしたんだね、又余計に悪くなったの。」と親切にも優しく眉を顰めて聞いた。
「余計に悪くなって堪るもんか、この節あ心持が快方だっていうけれど、え、魚気を食わねえじゃあ、身体が弱るっていうのに、父爺はね、腥いものにゃ箸もつけねえで、豆腐でなくっちゃあならねえッていうんだ。え、おかみさん、骨のある豆腐は出来まいか。」と思出したように唐突にいった。
五
「おや、」
お品は与吉がいうことの余り突拍子なのを、笑うよりも先ず驚いたのである。
「ねえ、親方に聞いて見てくんねえ、出来そうなもんだなあ。雁もどきッて、ほら、種々なものが入った油揚があらあ、銀杏だの、椎茸だの、あれだ、あの中へ、え、肴を入れて交ぜッこにするてえことあ不可ねえのかなあ。」
「そりゃ、お前さん。まあ、可いやね、聞いて見て置きましょうよ。」
「ああ、聞いて見てくんねえ、真個に肴ッ気が無くッちゃあ、台なし身体が弱るッていうんだもの。」
「何故父上は腥をお食りじゃあないのだね。」
与吉の真面目なのに釣込まれて、笑うことの出来なかったお品は、到頭骨のある豆腐の注文を笑わずに聞き済ました、そして真顔で尋ねた。