Japanische Klassiker mit Furigana
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さんじゃくかく
化鳥・三尺角 他六篇
泉 鏡花
Lesen Sie 化鳥・三尺角 他六篇 (さんじゃくかく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.536 Zeichen · 27 Bildschirme
六
七
「あれだよ。又、」と、莞爾していう。
「そうだっけな、うむ、此方あお客だぜ。」
与吉は独で頷いたが、背向になって、肱を張って、南の字の印が動く、半被の袖をぐッと引いて、手を掉って、
「おかみさん、大威張だ。」
「あばよ。」
六
「あい、」といいすてに、急足で、与吉は見る内に間近な渋色の橋の上を、黒い半被で渡った。真中頃で、向岸から駆けて来た郵便脚夫と行合って、遣違いに一緒になったが、分れて橋の両端へ、脚夫はつかつかと間近に来て、与吉は彼の、倒れながらに半ば黄ばんだ銀杏の影に小さくなった。
七
「郵便!」
「はい、」と柳の下で、洗髪のお品は、手足の真黒な配達夫が、突当るように目の前に踏留まって棒立になって喚いたのに、驚いた顔をした。
「更科お柳さん、」
「手前どもでございます。」
お品は受取って、青い状袋の上書をじっと見ながら、片手を垂れて前垂のさきを抓んで上げつつ、素足に穿いた黒緒の下駄を揃えて立ってたが、一寸飜して、裏の名を読むと、顔の色が動いて、横目に框をすかして、片頬に笑を含んで、堪らないといったような声で、
「柳ちゃん、来たよ!」というが疾いか、横ざまに駆けて入る、柳腰、下駄が脱げて、足の裏が美しい。