Japanische Klassiker mit Furigana
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さんじゃくかく
化鳥・三尺角 他六篇
泉 鏡花
Lesen Sie 化鳥・三尺角 他六篇 (さんじゃくかく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.536 Zeichen · 27 Bildschirme
与吉は薄暗い中に居る、材木と、材木を積上げた周囲は、杉の香、松の匂に包まれた穴の底で、目をって、跪いて、鋸を握って、空ざまに仰いで見た。
樟の材木は斜めに立って、屋根裏を漏れてちらちらする日光に映って、言うべからざる森厳な趣がある。この見上ぐるばかりな、これほどの丈のある樹はこの辺でついぞ見た事はない、橋の袂の銀杏は固より、岸の柳は皆短い、土手の松はいうまでもない、遥に見えるその梢は殆ど水面と並んで居る。
然も猶これは真直に真四角に切たもので、およそ恁る角の材木を得ようというには、杣が八人五日あまりも懸らねばならぬと聞く。
那な大木のあるのは蓋し深山であろう、幽谷でなければならぬ。殊にこれは飛騨山から廻して来たのであることを聞いて居た。
枝は蔓って、谷に亘り、葉は茂って峰を蔽い、根はただ一山を絡って居たろう。
その時は、その下蔭は矢張こんなに暗かったか、蒼空に日の照る時も、と然う思って、根際に居た黒い半被を被た、可愛い顔の、小さな蟻のようなものが、偉大なる材木を仰いだ時は、手足を縮めてぞっとしたが、
(父親は何うしてるだろう、)と考えついた。
鋸は又動いて、