Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さんじゃくかく
化鳥・三尺角 他六篇
泉 鏡花
Lesen Sie 化鳥・三尺角 他六篇 (さんじゃくかく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.536 Zeichen · 27 Bildschirme
屹と見て、
「お柳、」
「え、」
「およそ世の中にお前位なことを、私にするものはない。」
と重々しく且つ沈んだ調子で、男は粛然としていった。
「女房ですから、」
と立派に言い放ち、お柳は忽ち震いつくように、岸破と男の膝に頬をつけたが、消入りそうな風采で、
「そして同年紀だもの。」
男はその頸を抱こうとしたが、フト目を反らす水の面、一点の火は未だ消えないで残って居たので。驚いて、じっと見れば、お柳が投げた巻煙草のそれではなく、靄か、霧か、朦朧とした、灰色の溜池に、色も稍濃く、筏が見えて、天窓の円い小な形が一個乗って蹲んで居たが、煙管を啣えたろうと思われる、火の光が、ぽッちり。
又水の上を歩行いて来たものがある。が船に居るでもなく、裾が水について居るでもない。脊高く、霧と同鼠の薄い法衣のようなものを絡って、向の岸からひらひらと。
見る間に水を離れて、すれ違って、背後なる木納屋に立てかけた数百本の材木の中に消えた、トタンに認めたのは、緑青で塗ったような面、目の光る、口の尖った、手足は枯木のような異人であった。
「お柳。」と呼ぼうとしたけれども、工学士は余りのことに声が出なくッて瞳を据えた。