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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんじゃくかく

化鳥・三尺角 他六篇

泉 鏡花

Lesen Sie 化鳥・三尺角 他六篇 (さんじゃくかく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.536 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

俤が、空蝉になり脱殻になって了うのである。

敢て未来のことはいわず、現在既にその姿になって居るのではないか、脱け出した或者は、鳴き、且つ飛び、或者は、走り、且つ食う、けれども衣を脱いで出た蛇は、残した殻より、必ずしも美しいものとはいわれない。

ああ、まぼろしのなつかしい、空蝉のかような風土は、却ってうつくしいものを産するのか、柳屋に艶麗な姿が見える。

与吉は父親に命ぜられて、心に留めて出たから、岸に上ると、思うともなしに豆腐屋に目を注いだ。

柳屋は浅間な住居、上框を背後にして、見通の四畳半の片端に、隣家で帳合をする番頭と同一あたりの、柱に凭れ、袖をば胸のあたりで引き合わせて、浴衣の袂を折返して、寝床の上に坐った膝に掻巻を懸けて居る。背には綿の厚い、ふっくりした、竪縞のちゃんちゃんを着た、鬱金木綿の裏が見えて襟脚が雪のよう、艶気のない、赤熊のような、ばさばさした、余るほどあるのを天神に結って、浅黄の角絞の手絡を弛う大きくかけたが、病気であろう、弱々とした後姿。

見透の裏は小庭もなく、すぐ隣屋の物置で、此処にも犇々と材木が建重ねてあるから、薄暗い中に、鮮麗なその浅黄の手絡と片頬の白いのとが、拭込んだ柱に映って、ト見ると露草が咲いたようで、果敢なくも綺麗である。