Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんぽうゆうしん

南方郵信

中村 地平

Lesen Sie 南方郵信 (なんぽうゆうしん) von 中村 地平 (なかむらちへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.899 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

と哀れな声をだしている。

旦那はひどく満悦な調子で、辺りを見まわした。

「誰か、この元気者と腕角力をとっちみい」

源吉爺さんが、早速、腰にさげていた汚い手拭いで頭に鉢まきし、浮き浮きと前にとびだした。そして、早速、両腕を牡山羊の双の角にかけた。しかし、忽ち山羊の猛襲に耐え兼ね、たじたじとなり、よろめいて手をはなした。爺さんは地べたに尻もちをついて見せ、歯のない口をぱくぱくさせながら、みんなの顔をぐるりと見まわした。奥さんや、女中たちがむせる位笑った。

「ヤの字」が得意そうに三太の顔を覗きこむ。

「こ奴は大した力もちじゃから、こんげなヨボヨボが相手になれるもんですかな」

若い衆が順次に敗退して、三人頭をかきかき引きさがったのち、旦那はこんどは三太を前におしだそう、とした。

「お前もやっちみい」

しかし、三太は恥しがって、母親の腰にしがみつき、体をかくしてしまった。間もなくやっぱり三太は皆の前に出て、こわごわと山羊の体にさわってみる。背の毛に触れても、頭を撫でても、山羊はそ知らぬ顔をして、相手にならない。思いきって角をにぎったとたん、牝山羊は「ミイ」と啼いた。