Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
三宝の上に飾られて、ぽつねんと置かれてあるのです。――当然のごとくに、名人右門の眼がぎろりと鋭い底光りを放つと、いまだにぼうぜんとたたずみながら、まるできつねにでもつままれたように、黙々と考え沈んでいる町奴たちのところへ、じつに伝法な、だが、むしろぶきみなくらいに物静かな尋問の矢が向けられました。
「うすみっともねえつらしているじゃねえかよ。まるで、伸びたうどんみてえじゃねえか。近ごろそんなつらは、あんまり江戸ではやらねえぜ。え! おい、大将、まさかに、おまえさん、おいらがだれだか知らねえわけじゃあるめえね」
「…………」
「何をきょとんとした顔しているんだ。おいらがだれだか知らねえわけじゃあるめえねといってきいてるんだよ。え! おい! 奴の大将。この巻き羽織を見ただけでも、おめえたちにはちっと苦手の八丁堀衆ってえことがわかるはずだ。黙っているのは知らねえのかい」
「フフン」
ところが、おこったようにふり向くと、親分らしいのがフフンとあざわらいながら、ふらちなことにもひどくけんまくが荒いのです。
「巻き羽織がどうしたとおっしゃるんです! いいや、やにわと権柄ずくに、おかしなことをおっしゃいますが、あんたの名まえとやらをあっしが知らねえといったらどうなさるんです」