Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
またむっつり虫が起きたんですかい。え? だんな。だいじょうぶですかい。よう、だんな。ようってたらよう、だんな!――」
「黙ってろ。おれのむっつり虫は、一匹いくらという高値なしろものなんだ。気味のわるいところをお目にかけてやるから、てめえのその二束三文のおしゃべり虫ゃ油で殺して、黙ってついてきな。これから先ひとことでも口をきいたら、今夜ばかりは容赦しねえんだ。草香流が飛んでいくぜ」
しかってすいすいとはいっていったところは、いましがた山の青道心からきき出した、丑の刻参り隠れ祈りの場所の一つである湯島坂下三ツ又稲荷の境内です。――もとより、あたりは真のやみ。しんちんと鬼気胸に迫って、ぞおっとえり首までがあわだつばかり、そのぶきみな境内をものともしないで、名人はほこらの裏にぬけると、ぴたり身を社殿の陰に寄せながら、じっと息をひそめて、何者かを待ちだしました。――伝六も声はない。しゃべるなとしかられたのがきいたためではないらしく、どうやらあたりのぶきみさ、ものすごさにおしゃべり虫がちぢみ上がったとみえて、ごくりごくりとなまつばをのんだままでした。
半刻……。