Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あいこくしんわたしはこうおもう

和人は舟を食う

知里 真志保

Lesen Sie 和人は舟を食う (あいこくしんわたしはこうおもう) von 知里 真志保 (ちりましほ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 70.567 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

それからいよいよ帰途についたが、途中あちこちの海岸に舟をよせては、泊り泊りして帰ってきた。

ある日、どことも知らない海岸のけわしい崖山の前に、小さい砂浜があって、ここなら舟を引きあげて泊れそうに見えたので、その夜はここで泊ることに決め、砂浜に舟を引きあげて、なぎさによせあがった木を拾い集めてきて、火をもやし、飯をたきながら、ふと沖の方を見ると、大変だ。ものすごい大津波がこちらをめがけておしよせて、いまにもかぶさってきそうに見えるではないか。どうしていいかわからないので、妻の手をとって、崖山の方へ逃げのぼっていくと、崖くずれのところがある。その間をどんどん逃げてくると、そこに大横穴が見える。ここよりほかには通れそうなところもないと思って、その穴へ入っていった。奥は深く続いている。だんだん行くうちに、はじめはまっ暗であったのに、行く手がぼんやり明るくなってきた。なお、どんどん足にまかせて行くと、やがて景色がとてもきれいなところへ出た。

私たち夫婦はその景色に見とれながら行くと、道のそばには、人家のたくさん立ちならんだ村が見え、海岸には、いましも大きな弁財船(大形の和船)が港へ入ろうとしているところへ、村の人々が集ってくる。