Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

そのように躯が大きく、ものすごいつら構えの犬は、むしろ温和しくて無害だと、犬好きの人はよく主張する。慥かに、まるも平生は温和しいうえに臆病者で、自分の半分もないような犬ににらまれても、しおれた顔で眼をそらすか、物蔭へ隠れにゆくというふうであった。他の犬と喧嘩をしたこともないし、怪しげな人間に吠えかかる、などということもない。――にもかかわらず、その子供を「のんべ横丁」でみかけるとたんに、唇を捲って歯を剥き出し、重量感のある巨躰を誇示するかのように、のそりのそりと寄って来るのであった。

人と毛物のあいだにも、合性のよしあしとか、にが手とかいうものがあるらしく、まるには子供が気にいらないようだし、子供のほうでもまるにはかなわないのだろう、提げている古鍋に残飯がはいっているときには、それをすっかり地面にあけて逃げるし、まだなにも貰っていないときには、三つの古鍋を一つ一つ、中になにもないことをまるによく見せてから、その夜の貰いを諦めて帰るよりほかはなかった。むろん、まるは残飯などには眼もくれないのであるが。

三人組の少年たちは、一般にちんぴらと呼ばれる連中で、なんの必要も理由もないのに、弱そうな者をみつけると威したり、殴ったり、持ち物を奪ったりすることに英雄的快感を覚え、それだけが生きるたのしみだと信じている