Japanische Klassiker mit Furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme
しばしばくに子の肌着や下の物なども洗うので、かみさんたちはのぼせあがった。
とし古い夫婦で、細君が弱いような場合にはゆるされるが、徳さんのように新婚そうそうであり、かくべつ新妻が弱いわけでもないのに、大の男がそんなことをするというのはタブーであった。――特にこの「街」のかみさんたちは、それぞれ亭主や子供たちのために苦労させられているから、こんな不徳義なことを見せつけられては黙っているわけにはいかない。
「なんだいあのおしゃもじは、どこのなにさまだい」おしゃもじとは云うまでもなくくに子のことだろう、「嫁に来たばかりだってえのに、亭主に腰巻まで洗わせる罰当りがどこの世界にいるかさ」
「水しょうばいの女にきまってるよ、めしも炊けず針も持てない代りには、きっとあのほうが巧者なんだろうよ」
「徳さんも徳さんだ、築正親分の身内だなんて云ってながら、あのざまはなにさ、こっちで恥ずかしくなっちまうわ」
これまた例によって、徳さんの耳には筒抜けに聞えてしまう。
「うちのくに子は箱入りでね」と彼はにやにや笑いながら攻勢に出た、「あいつはまだ世間ずれがしてねえし、恥ずかしがりやなんで、当分は箱入り女房ってことにしとくつもりですよ」