Japanische Klassiker mit Furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme
た」
彼はぎょっとした。この場に及んでたいしゃくさまをどうしようとするのか、証人にでも呼び出そうというのかと思い惑った。すると彼女はうやうやしい口ぶりで、今日は帝釈さまの日だから、そっちへ足を向けて寝ると罰が当るのだ、と説きあかしてくれた。
「それで安心はしたものの、あっしはまた困った、たいしゃくさまがどっちの方角に当るかなんて、こっちはてんで知りゃあしねえ、たんばさん知ってますかい」
「そうさな、まあ、――まあ、知らないようだな」
くに子は眉をしかめて考えこんだが、やがて、それでは自分のもと知っている方角でまにあわせようと云い、西南のほうを枕にして寝たのであった。
「次の晩はおめえ不動さまだ」と徳さんは云った、「こいつはあっしも縁日で知ってるから迷うこたあなかった、こんぴらも見当はついたし山王稲荷もすぐにわかった、かんのんさまのときにゃあまごついたっけ、なんしろおめえかんのんとくりゃあ四方八方にあらあ、これにゃあくに子のやつも匙を投げたね、さんざん考えたあげく、本山さまで勘弁してもらおう、ということでやっとおちついた、って始末よ」
「それは毎晩のことかい」