Japanische Klassiker mit Furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme
着替えとか蒲団くらいはあるんだろうときくと、八田青年は先生のことを非難するように見て、憂国塾ではそんな些細な物まで塾生が賄わなければならないのか、と反問した。
この問答では寒藤先生は一本とられた。国家的観点に立脚した啓蒙道場であり、特に皇道学的な真理を究明し、これを実践的にプロパガンダする使命、というおごそかな先生の主張からすれば、八田青年の云うとおり、そんな些細なことは問題にならない筈であった。よかろう、先生は折れた。貸し蒲団を借りてきたまえ。
八田青年には、塾生として精神修養のために日課がきめられた。食事の支度、清掃、買い物、走り使い、皇居遙拝、先生の身辺の世話、その他の雑事、等、等であった。そんなことはさして苦にならなかった。どの一つにせよ、手を抜きたければ先生の眼をごまかすくらい、極めて簡単なことだったから、――しかしそれとはべつに、もう一つ避けがたい重労働があったのだ。
避けがたい重労働といえば、それだけで説明の要はないだろう、さよう、寒藤清郷先生の講話を聞くことがそれであった。
ロータリー・クラブが日本侵略の意図をもつものである、という理由から、日本支部が解散を命ぜられたことはさして古い話ではない。