Japanische Klassiker mit Furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme
みさおは亭主の手伝いなど決してしない。仕事ぶりののろさをそしり、にかわの匂いにけちをつけると、自分はさっさと外へでかけてしまう。夜の食事にはたいてい帰るが、ひるめしには帰らないことのほうが多い。良太郎も子供たちも慣れているため、彼女が帰らなくともべつにふしぎはないようすで、父親が膳立てをすると、みんな温和しくめしを喰べる。子供たちはみな従順で、四郎までの四人は小学生であるが、成績はどの子も上位を占め、太郎はずっと級長を続けていた。
「あの子たちはこの街の七ふしぎの第一だね」とここの人たちは云った、「どっちから考えてもあんな子供たちの生れるわけがないんだから」
子供たちは五人とも、母親にあまりなじまない。生活の大部分が父親だけでまかなわれているためか、それとも幼い神経で、本能的に父を哀れと思うためか、母が家にいてもあまえるようなことはなく、なんでも父に相談し、父の手助けをしようとした。――ここの住人たちの着物は、殆んど洗い返し縫い返した品である、新調するときにも古着屋から買うのがせいぜいで、そのため半端物や古着を背負って、定期的にまわって来る商人が二人いるが、持って来た品を売るよりも、反対にぼろを買わされるほうが多い、とぼやくくらいであった。