Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで相沢は口をつぐみ、自分の背後に人のけはいでも感じたように、息をひそめながら福田くんに囁いた、「この話はよしにしようぜ、ああ、軍師あやうきに近よらずってえからな、きみ」

福田くんはグラスの焼酎を一と息に飲み、いそいで幾たびも頷いてみせた。

「あたしと福田のローマンスはたいへんだったのよ」と相沢家では、ますさんを相手に光子が話していた、「なにしろあたしは女学校二年生で、法律上はまだ未成年者でしょ、どこでクスープしたものか新聞では書きたてるし、そうそ、いつかあんたにその記事みせてあげるわ、あたしみんなクスラップして取ってあるのよ、ほんとにいつか見せてあげるわね、田舎の新聞だってそうばかにはできないような記事よ」

ますさんは内職の手を休みなしに動かしながら、よく赤ちゃんができなかったのねと、感情のかけらもない口ぶりで云った。

「それは女の責任じゃないの」と光子は答えた、「女さえその気になれば、妊娠なんかしないような方法が幾らだってあるわ」

ますさんは突然おどかされでもしたように、ぎくっとして振返った。そうして溺れかかっている者が、つい眼の前に浮き袋のあるのをみつけたときのような表情で、それほんと、ときき返した。