Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme
しかしそれらは、いかにも底が浅く単純なので、すぐにみすかされてしまうし、逆効果をまねく場合が多いようで、そんなところにも人間の弱さやかなしさが率直にあらわれるのである。
こういう「街」の住人は、一時的なものと、永住者とに大別される。一時的な人たちの中にも、そうなる本質をそなえている者と、現象的な不運によるものとあり、前者はしばしば永住者になるし、後者はやがてここから脱出する可能性をもっていて、これらが以前からの定住者とのあいだに、現実的にも心理的にも、多種多様なトラブルをおこす原因となり、ささやかではあるが当人同志では深刻な、悲劇や喜劇をかもしだすようだ。
私は「季節のない街」の中でこれらの人たちと再対面したわけである。登場する人物、出来事、情景など、すべて私の目で見、耳で聞き、実際に接触したものばかりであって、「青べか物語」と同様、素材ノートの総ざらえといってもいいくらいである。
――このノートを小説として再現しながら、作中の人物のひとりひとりに、私は限りない愛着となつかしさを感じた。この人たちはかつて私の身ぢかに生きていたのであり、かれらの笑い声や、嘆きや怒りや、啜り泣く声が、いまふたたび私のところに帰ってきたのである。