Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

だったよ」

「会わせて下さい」と母は云った、「あれはわたしの子供なんです、どうかいますぐに会わせて下さい」

「会ってもわかりゃしませんよ、ひどい姿になっているし、包帯をしてはあるがそれも血だらけで、まあおっかさんは見ないほうがいいでしょうね」

「いいえ会います、どんなにひどい恰好だって驚きゃあしません、あれはわたしの子供なんですから」

「まあまあ」と云って院長は辰弥を見た、「きみは弟だといったね」

辰弥は頷いた。

女親に見せるのはむりだ、と院長は云った。しかし病院の立場としては、患者に対する応急処置や、使用した高価な注射薬について親族の了解を得る必要がある。なおまた希望によっては、――その費用を払う能力があればのはなしだが、――さらに高価な注射薬をもちいてもよい。そういう意味で、きみに病室へいってもらいたい、と院長は云った。

「はい、ぼくが会います」辰弥はそう云って母を見た、「ぼくが先に会いますよ、そのようすによっておっかさんも会うほうがいいでしょう」

「あの子は死ぬんですね」母は院長に云った、「あの子は助からないんですね」

辰弥が「おっかさん」と制止した。